2.5.3.2.3 小型包装容器で輸送ができる有機過酸化物は2.5.3.2.4項(表省略)に示されている。また、IBCs(中型容器)で輸送できる有機過酸化物は包装要件IBC520(省略)に、タンク(大型容器)で輸送できる有機過酸化物はポータブルタンク要件T23(省略)に示されている。これらの輸送可能な有機過酸化物にはそれぞれ危険物リストの包括品名エントリー(UN番号3101から3120まで)が割り当てられ、副次危険性および準備すべき関連輸送情報が示されている。
包括品名エントリーには次の内容が示されている。
・ 有機過酸化物のタイプ(BからF)
・ 物理的性状(液体又は固体)
・ 必要な場合の管理温度(2.5.3.4項参照)
2.5.3.2.3.1 表に記載されている有機過酸化物どうしの混合物は、最も危険な成分と同じタイプの有機過酸化物に分類され、そのタイプに規定されている輸送条件により輸送することができる。ただし、2つの安定した成分の混合物が熱的に不安定な混合物を形成する可能性もあるので、その混合物の自己促進分解温度(SADT)を決定し、必要に応じて2.5.3.4項に規定される温度管理が適用される。
2.5.3.2.4
現時点で割り当てられている小型容器で輸送できる有機過酸化物一覧表
「包装要件」欄のコード「OP1」から「OP8」は、包装要件P520の包装方法を示す。輸送される有機過酸化物は、一覧表に示された分類、管理温度および非常温度(SADTから導き出される)を満たさなければならない。IBCs(中型容器)で輸送できる有機過酸化物は包装要件IBC520を、また、ポータブルタンク(大型容器)で輸送できる有機過酸化物はポータブルタンク要件T23を参照のこと。
4.1.4.2
項の包装要件IBC520および4.2.5.2.6項ポータブルタンク要件T23に記載される有機過酸化物は、4.1.4.1項の包装要件P520の包装方法OP8に従って、同じ管理温度および非常温度で輸送することもできる。
2.5.3.2.5
2.5.3.2.4項の表、包装要件IBC520、ポータブルタンク要件T23、および包括品名の割り当てがない有機過酸化物の分類は、試験報告書に基づき製造国の所管官庁により行わなければならない。
これらの物質の分類の原則は2.5.3.3項に規定されている。また具体的な分類のための手順、試験方法、判定基準、および適切な試験報告書の例は「試験方法および判定基準のマニュアル」第U部に示されている。所管官庁による承認書類には、分類と関連する輸送条件が明記されていなければならない。
2.5.3.2.5 2.5.3.2.4項の表、包装要件IBC520、又はポータブルタンク要件T23に記載されていない有機過酸化物の分類および包括品名エントリーへの割り当ては、出荷する国の許認可を行っている諸機関が、テスト報告に基づいて決定する。タイプ分類を行うための基本原則は、2.5.3.3に、また具体的な分類のための手順、テスト方法、評価基準、ならびに具体例は「テストおよび判定基準のマニュアル」PartUに示されている。認可証には分類結果(UN番号)および輸送条件が明記されていなければならない。
2.5.3.2.5.1 2.5.3.2.4項の表に記載されていない新規の有機過酸化物あるいは有機過酸化物規組成物のサンプルであって、必要とされる完全な試験結果がなく、かつ、試験または評価を行うために輸送するものは、次の条件に適合する場合には、「有機過酸化物タイプC」に割り当てられる。。
@ 得られているデータは、サンプルが有機過酸化物タイプBより危険でないことを示している。
A サンプルは包装方法OP2に従って輸送物とされ、貨物輸送単位あたりの輸送量が10kg以下である。
B 管理温度が必要な場合、管理温度がいかなる危険な分解も防ぐのに十分低く、かつ、いかなる危険な相
分離を防ぐのに十分高いことが得られているデータに示されている。
2.5.3.3 有機過酸化物分類の原則
注:本項は有機過酸化物の分類に必要な特性のみを述べている。
分類を決定する特性に関する質問とこれに対する回答で示された分類原則のフローチャートが図2.5.1に示されている。試験方法と評価基準の詳細は「試験方法および判定基準のマニュアル」第U部に記載されている。
2.5.3.3.1 実験室の試験において、「爆轟する」、「急速に爆燃する」、あるいは「密閉状態の加熱で激しい効果を示す」有機過酸化物組成物は、爆発性を有するとみなされる。
2.5.3.3.2 2.5.3.2.4項の表に記載されていない有機過酸化物組成物の分類には以下の原則を適用する。
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a) |
輸送するための荷姿で爆轟あるいは急速に爆燃するものは、その荷姿で区分5.2の有機過酸化物による規定の輸送が禁止される(有機過酸化物タイプAと規定、図2.5.1の出口ボックスA)。 |
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b) |
爆発性を有する有機過酸化物組成物であって、輸送するための荷姿では、爆轟も急速な爆燃伝播性もしないが、熱爆発を起こすおそれのあるものは、“爆発性”の副標札(様式1、5.2.2.2.2参照)を付けなければならない。また、単位包装量は、爆轟または急速爆燃伝播を防止するために25kg以下の量にしなければならない(有機過酸化物タイプBと規定、図2.5.1の出口ボックスB)。
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c) |
爆発性を有する有機過酸化物組成物で、その荷姿(最大単位包装量50kg)では爆轟も急速な爆燃もせず、熱爆発も起こさない有機過酸化物は「爆発性」の副標札無しで輸送できる有機過酸化物タイプCと規定、図2.5.1の出口ボックスC)。 |
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d) |
へ続く |
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