(試験方法および判定基準のマニュアルより)

第U部 区分4.1の自己反応性物質ならびに区分5.2の有機過酸化物に関する分類方法、試験方法ならびに判定基準

20.1 目的
20.1.1  本試験マニュアル第U部は、自己反応性物質(区分4.1)および有機過酸化物(区分5.2)の分類のための国連方式を示したものである(それぞれモデル規則の2.4.2.3項、2.5.3項参照)。これには、輸送のためにこれら物質を適正に分類するための必要な情報を所管官庁に提供するために最もふさわしいと考えられる手順、試験方法および判定基準が記されている。
分類に際しては、20.4.2項(区分4.1 自己反応性物質)、20.4.3項(区分5.2 有機過酸化物)、および図20.1(図2.5.1.と同じ)の「フローチャート」(モデル規則の2.4.2.3.3項および2.5.3.3項参照)で述べた「分類の原則」が併せて使用されなければならない。
20.1.2 自己反応性物質と有機過酸化物はその危険性に応じて7つのタイプに分類される。これらの物質の分類のためのスキームが、図20.1(図2.5.1と同じ)に例示されている。
試験は2段階で行う。第1段階では、実験者の安全を確保するために、物質の安定性および感度を確認するための小規模な予備試験を行う。第2段階で、分類試験を行う。

20.2 適用範囲
20.2.2 以下に規定する以外の輸送に供される新規の有機過酸化物組成物は本節に定める分類手順に従わなければならない。
a) 過酸化水素の含有量が1.0%以下で有機過酸化物からの活性酸素量が1.0%以下の有機過酸化物。または
  b) 過酸化水素の含有量が1.0%を超え7.0%以下のもので、有機過酸化物からの活性酸素量が0.5%以下のもの。
20.2.3 本節でいう新規有機過酸化物とは、所管官庁が次のいずれかに該当すると判断したものをいう。
  c) モデル規則の2.5.1項に示した定義を満たす新規有機過酸化物、または既知の分類済みの有機過酸化物どうしの混合物であるが、既知のそれらのものとは著しく性質が異なっていると考えられる混合物。
20.2.4 既に包括品名エントリーが割り当てられた有機過酸化物どうしの混合物の場合、最も危険な成分の有機過酸化物と同じタイプに分類し、そのタイプに与えられた輸送条件で輸送してもよい。しかしながら混合物の場合、熱的に不安定性なものになる場合もあり、混合物のSADTを測定し、必要ならモデル規則の2.5.3.4項に基づき、SADTから導き出される管理温度および非常温度を決定しなければならない。
20.2.5 新規有機過酸化物組成物が輸送に供される前に、分類手順に着手されなければならない。

20.3 予備手順
20.3.1 総則
実験者の安全のために、大量の物質を取扱う前に、小規模の予備試験を行うことが重要である。これには物理的刺激(衝撃及び摩擦)、熱、炎に対する物質の感度を判断するための試験が含まれる。
20.3.2 試験の種類
通常、安全性評価のために、以下の4種類の小規模試験を行う。
a) 衝撃に対する感度評価のための落鎚感度試験。
b) 摩擦に対する感度評価のための摩擦あるいは衝撃摩擦感度試験。
c) 熱安定性ならびに発熱分解エネルギーを評価する試験。
d) 着火の影響を評価する試験。

20.3.3 試験方法の適用ヘつづく